注目のセラピー「タクティールケア」とは

介護現場では、高齢者の心のケアが注目されています。
心のケアをする中で特に大事なのが、相手にリラックスした時間を過ごしてもらうことです。
ある介護現場では、心のケアとして「タクティールケア」と呼ばれるセラピーが実施されています。

タクティールケアとは、優しく手や足に触れながらコミュニケーションを図るセラピーです。
マッサージや指圧とは違い、強い力では行いません。
背中や手足に優しく触れると、触れられた方の皮膚に信号が届き、オキシトシンというホルモンが分泌されます。

このホルモンは、相手に共感をしたり、相手を信用したりする効果があります。
癒やしのホルモンの影響で、安心感を与え、不安な気持ちを減らし、リラックスした気持ちにさせることができるのです。

孤独感を感じている高齢者は、寂しさや虚しさで、心身共に凝り固まっています。
そんな人にこそ、優しく手で触れて心身を和らげてあげるタクティールケアは、うってつけのセラピーだと言えます。
手のひらは温かくホッとする質感であり、人によっては安眠を促す方法になることもあります。

タクティールケアは、1960年代に北欧で生まれました。
最初は赤ちゃんのケアに使われていましたが、今ではがん患者へのケアや認知症の高齢者のケアにも用いられています。
ただ優しく触るだけという簡単なセラピーですが、コミュニケーションのきっかけにもなり、困っていることや不安なことを吐き出せる際にも力を発揮します。

ただ注意点として、嫌がっている人には行わないことが大事です。
特に日本人の中には、スキンシップに違和感や嫌悪感を感じる人は少なからずいるので、まずはそういった気持ちに配慮して実施しましょう。
また、利用者の皮膚が炎症を起こしていたり、怪我をしていたりする場合は、なるべく避けた方がよいでしょう。
興味を持った方は、ぜひ実践してみてはいかがでしょう。

この他にも、介護現場で有益なセラピーは多数存在します。
もっと知りたい方は、ネットや書籍などで色々探してみると良いでしょう。
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