介護現場には、さまざまな境遇の人がいます。
中には慣れない環境にストレスを感じている方や、自宅を離れて過ごすことで孤独感を抱いている方もいるかもしれません。そのような利用者に対し、セラピーを行い、精神的な配慮をすることはとても大切です。
セラピーと言っても、難しいことをする必要はありません。
ただ話を聞くだけでもセラピーになります。
利用者の中には、配偶者や友人と死別したり、今までできていた仕事や家事ができなくなり、気落ちしている人もいます。
孤独感を感じている場合、昔の思い出の話や趣味の話、家族の話などを聞くことが大事です。
身の上話をしっかり親身になってに聞くことで、利用者自身に仲間意識が芽生え、安心感を与えることができます。
話を聞くポイントは、アドバイスをしようとせず、ただ話を聞くことです。
何名かの高齢者を交えて話をすることも有効です。
昔の出来事や懐かしいテレビの話を皆ですることで、共感と受容を経験し、抑うつした気持ちを紛らわせることができます。
そして、昔の音楽を聴くことも心の癒やしにつながります。
演歌や歌謡曲など、利用者の好みに合わせて選曲して流せば、きっと喜んでもらえるでしょう。
その曲が流行った当時の話を教えてもらったり、利用者同士で当時の話をすることで、それぞれが懐かしい会話を楽しむことができます。
また、歌うことも脳の活性化にプラスになるため、カラオケ機器が置いてある介護現場もあります。
うって変わり、植物を育てることもセラピーとして有効です。
園芸は、土や花、作物に触れて、生命のエネルギーを感じることができます。
作業に集中したり、園芸に関する会話をすることで、高齢者の意欲を活性化させるという意味でも良い影響を与えられます。